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こどもの乱ぐい歯について(叢生)

みなさんこんにちは!新宮おかべ歯科こども矯正歯科の岡部です。本日は子どもの悪い歯並びの中でもよく見られる、〝叢生(乱ぐい歯・八重歯)”についてお伝えしたいと思います。

 

 悪い歯並びは自然には治らない、高額な矯正治療が必要と思われることが多いのではないでしょうか。ですが、子どもの歯並びはむし歯と同じように、悪くなる原因を解消していくことで改善することができます。逆に言うと、良くない習慣が悪い歯並びへと繋がっていきます。

3歳児のむし歯の数は平成元年には平均2.9本ありましたが、平成28年には0.5本にまで減りました‼ それは、親がむし歯の原因に気づき、解消する取り組みを行ったからです。歯並びもむし歯のように気をつけることで、きれいな状態を保つことができるのです。

 

 将来の歯並びを決める時期は、『乳歯の一番奥の乳臼歯が生え揃う3歳から、下あごの前歯が抜け替わる6歳頃まで』です。

この時期に子どもの歯並びをよく観察することが大切です。子どもの歯並びの異変に早く気づくと、自宅で悪い歯並びを予防・改善する取り組みを行うことができます。

6歳前後になると第一次成長期が終わり、成長のスピードが緩やかになっていきます。この時期が自宅で取り組みを行える最後のチャンスです。子どもの成長する力を利用する方法であるため、少しでも早く始めて、子どもの成長が止まる前の完了を目指します。

 

 叢生は、歯ぐきの幅よりも生えてくる歯の幅の方が大きいことにより、歯の一部が重なったまま生えてしまうことです。多くは前歯部にみられます。

子どもの歯は、乳歯の前歯が『すきっ歯』だと良いです。永久歯が生えてきたときに歯が重ならずに並びます。

前歯がすきっ歯になるには、歯ぐきの発育を促すために刺激を与える必要があります。

そのためには、『前歯を使って咬む(咬み切る)』ことです。

 

離乳食の時期

赤ちゃんは口元にスプーンを近づけると本能的反射で頭を前に出して口を開け、スプーンにかぶりつきます。赤ちゃんが自分からかぶりつき、しっかり口を閉じて食べ物を口に入れることで反射的に前歯で咬むスイッチが入ります。これが前歯を使う訓練のスタートです。赤ちゃんがかぶりつくのを待たずにスプーンを口の中に入れてしまうと、前歯を使う予行練習ができません。

 

前歯で咬む食事

 離乳食後期からは、子どもが手に持ち、一口分ずつ咬み切ることができ、咬んだときに硬すぎず、やわらかすぎない食べ物がおすすめです。

例えば、くし形のりんご、ふかし芋、海苔で巻いたおにぎり、から揚げ…などです。

口を大きく開けてかぶりつき、唇にもしっかり力が入っていることで、口輪筋が活性化することにも繋がります。

 

本当に前歯で咬めているかな?

本当に前歯で咬み切っているか注意が必要です。

犬は前歯が小さく咬み切る役に立たないため、最初から奥歯で噛んでいます。子どもが同じように横噛みで噛み切っていたら、前歯で咬み切るように教えてあげてください。

 下あごの前歯は生えてきたとき、先端がギザギザしています。前歯をしっかり使っていれば、半年から1年程度で、ギザギザがすり減り、平坦になります。乳歯が生えたら、歯みがきのときに、このギザギザがちゃんとすり減ってきているか確認してみてください。もし1年以上経ってもはっきり残っていれば、叢生になる危険性が高いため、食べ物を大きめに切り、手に持たせて、前歯で咬み切るように食べさせるなどの取り組みをしてみてください。

 

最後に、ちょっと奥歯の話

 歯は、頬筋が内側に、舌筋が外側に押す力のバランスで並ぶ場所が決まります。子どもの永久歯の奥歯は、上あごは外向き、下あごは内向きに生えてくる傾向がります。上あごの奥歯が外向きになるのは頬筋の力がないため、下あごの奥歯が内向きになるのは舌筋が弱いためです。舌筋が弱いのは、奥歯でしっかり噛んでいないことが原因です。

食べ物を水分でのどに流し込む食べ方をしていることが考えられます。例えば、パンを良く噛まず牛乳など飲み物で流し込む、お茶漬けや味噌汁ご飯、などしていないでしょうか?よく噛まずに水分で飲み込んでしまうと、前歯も奥歯も十分に使えなくなり、歯並びに悪い影響となります。飲み物やスープで流し込むような食べ方は要注意です‼

 

次回は〝受け口”や〝出っ歯に見えるかみ合わせ”についてお話したいと思います。

出典元:

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